ペットの事故と裁判例

「sippo」
http://sippolife.jp/column/2016030200005.html
他人の過失によって事故が発生し、そのためにペットが亡くなった場合、
裁判上、飼い主の慰謝料請求が認められるケースがあるということが、
記事として掲載されています。

 

一般的に、ある物が他人の故意または過失によって壊されたときには、
その物を修理する費用や買い替え費用の賠償を命じれば、
「所有者の精神的苦痛は慰謝された」として、
それ以外に慰謝料の請求は認められないそうで、
例えば、交通事故の被害にあって車が損傷したとき、
修理費が支払われて修理が完了すれば、
自分の愛車が傷つけられたことで受けた精神的苦痛に対する慰謝料は
まず認められないのだそうです。

 

しかし、動物は単なる物とは違い、「命あるもの」です。
壊れたら――すなわち死んだり傷ついたりしたら、
代わりのペットと返品・交換すればいい、というものではありません。
そのため、飼い主にとってペットが
単なる物以上の存在であると認められる場合には、
ペットの死亡によって飼い主が受ける精神的苦痛は、
動物の経済的価値を賠償してもなお慰謝されるものではない
という論理で、さらに飼い主に慰謝料を支払う必要があるとされています。

 

ペット死亡による慰謝料を認める裁判例は、特に新しいわけではなく、
古くは1961年9月11日東京高等裁判所判決があります。
その後も、判決でペットの死亡慰謝料が認められるケースはありましたが、
少額の慰謝料の判決でした。
それが2000年に初めて動物愛護管理法が改正されたこと、
そして、この改正の背景にある
一般社会の動物愛護の気風の高まりを受けたせいか
慰謝料の額が増えてきたそうです。

 

「法律や裁判の中で、ペットについて人と同じような取り扱いをし、
人に近づけて考えている場面は少なくありません。
ペットたちが何らか不幸な事態に直面したとき、
泣き寝入りしたり、あきらめたりすることなく、
最善の方策を探る努力をしてみることをおすすめします。」
ということで、記事は締めくくられています。

 

 

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