犬とピロリ菌

「sippo」
http://sippolife.jp/column/2016030700009.html
人の胃の粘膜に感染し、胃潰瘍や胃癌の原因になることで有名な細菌である、
ヘリコバクター・ピロリとその仲間の細菌について、
記事としてまとめられています。

 

ピロリ菌は、鞭毛(べんもう)を持っていて、
それをくるくる回転させながら移動するところから、
ヘリコ(旋回する)+バクター(細菌)と命名されたのだそうです。
日本人の感染率は10~20歳代では20%前後と低いのですが、
上下水道のインフラが不十分な頃を経験した50歳代以上では
80%程度と著しく高いことがわかっています。

 

まず、人で感染率の高いピロリ菌は犬や猫にもいるのでしょうか?

 

ピロリ菌は正式の名称は(Helicobactor pyrori)で、
犬や猫への感染は極めてまれと考えられてきました。
しかし、つい先日の2016年2月に横浜で開催された
日本獣医内科学アカデミーという学会で
発表されて注目されたのは、飼い主さん1人と同居犬2頭が、
遺伝子型の一致するピロリ菌に感染しているとのことでした。

 

人のピロリ感染を明らかにするための検査はいくつかありますが、
いずれも犬や猫に応用できない、あるいは応用困難なため、
これまでは犬ではヘリコバクター・ピロリの感染について
大規模な調査は行われてきませんでした。
しかし、最近になって新しい簡易検査が開発されたので、
今後、犬や猫でピロリ菌がどの程度に蔓延(まんえん)しているのかが
明らかにされるのではないでしょうか。
猫のヘリコバクター・ピロリの感染報告は今のところないようですが、
注意が必要な事には変わりありません。

 

もう一つ、人とペットの共通感染症として注目されているのがピロリ菌の仲間である
ヘリコバクター・ハイルマニイ(Helicobacter heilmannii)です。
ハイルマニイ菌が注目されているのは
ピロリ菌に比べて強い感染力を持つことと、
ピロリ菌の7倍とも言われる発癌性を持っているのだとか。
海外の報告ですが、
犬におけるハイルマニイ菌の感染率は67~86%程度と高率です。
犬の口腔内や唾液には
一定の頻度でハイルマニイ菌が存在することは確実で、
人への感染源の一つと考えられているそうです。
また、猫の疫学調査はおこなわれておらず、
感染率は不明ですが、
猫の胃粘膜にもかなりの率で存在することは知られています。

 

実は胃粘膜にピロリ菌がいると、
ハイルマニイ菌は共存することを嫌い感染しないのだそうです。
しかし、いったんピロリ菌が除菌されると、
ハイルマニイ菌の感染が起こる危険性は高くなります。
中高齢者のピロリ菌の除菌がさらに進み、
感染率の低い若い世代中心の世の中になると、
ピロリ菌にかわり動物由来と考えられる
ハイルマニイ菌が幅をきかすようになるかもしれません。

 

ペットの吐物や排泄物の処理をした後は必ず手洗いを行うよう心がけましょう。
また、ペットに口移しで餌を与えたり、顔をなめさせたりすることは
感染の機会を増やすことになりますので、節度ある接し方が大切です。
ペットから病気をもらわないために、
そして人から犬に病気をうつさないようにしましょう。

 

 

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